デジタル画像のフォーマットについて

基本的に研究を行う人々の多くはデジタルデータを当たり前のように使用している。

しかしながら、その割に、(私を含め)わかっていない。

でも、わかっていなくても使わなくてはならない。そんなものかと。

その気になればすぐに調べられる。でも、そんなことに時間をさく気にもならない。

そこで今回は皆様がどちらがいいのか悩む、この二つの画像フォーマット比べてみます。

TIFF:Tagged Image File Format

JPEG:Joint Photographic Experts Group

まず研究用のデータ保存に向いてないものはJPEG(wikipedia)といえるでしょう。

JPEGは非可逆圧縮方式をとっており、

圧縮時に実際撮影して得られた画像データから周波数の高い要素を取り除いてしいます。

JPEGでは、画像を固定サイズ(8×8画素)のブロックに分割し、そのブロック単位で、離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)を用いて、空間領域から周波数領域へ変換する(この変換自体では情報量は削減されない)。変換されたデータは、量子化によって情報量を落としてから、ハフマン符号によるエントロピー符号化がなされ圧縮が行われる。エントロピー符号化とは、データの生起確率の高低に応じて異なる長さの符号を割り当てることで圧縮を行うものである。(wikipediaより抜粋)

つまり圧縮率を高くしていけば、ピクセルブロックの中において割合の少ない情報が削られて行き、最終的には8×8画素のモザイクになってしまいます。

そして、その削られる情報の中に、研究をする上で重要なデータが、入ってることもあるかもしれません。

そういった可能性がある以上、そしてジェネレーションロス(読み込みと保存をするについれて画質が悪化する)などを考えても、私としてはJPEGでデータの保存をしておくのはあまり良いと思えないのです。

一方で、汎用性があり、使い易さともに便利なのはTIFF(wikipedia)です。

便利な点としては、たいていの画像編集ソフトに対応しているということです。

またJPEGと異なり可逆圧縮方式なため、ファイルサイズが重くなるかわりに、情報が削られることはまずありません。

近年ではJPEG圧縮もTIFFで選択可になったりしましたが、選択さえしなければ全く問題ありません。

以前まではPhotoshopにてTiffで保存すると、画像が統合されてしまいましたが、そういった問題もなくなってきました。少なくとも私の環境では:PhotoshopCS4

(しかしながら、photoshopでの作業すべてに対応しているのはPSDの拡張子ですので、本格的な作業にはPSDで保存をお勧めします。)

元々はアメリカのアルダス社(現在はPhotoshopで有名なAdobe社が吸収)が作製したフォーマットですが、マイクロソフトなども採用したことで広がったそうです。

スキャナメーカーが作っただけあって、異なるOSやスペックの違いがあっても働くようになっています。

TIFFは画像データの前にタグという認識子が入っており、それぞれのTIFFファイルとしての情報や、数値データ、そして、画像が持っているファイルの一覧表があります。

もしもTIFFをサポートしていないソフトで開いたりするとタグの情報を正しく読めないため、ファイルが開けなかったり情報が足りなくなったりすることも考えられます。

(研究活動をする上でそのようなソフトに出会ったことはありませんが、古ーいパソコンなどあったら起こりうるかも?)

なので、今回の投稿の答えとしましては、TIFFが良い。です。

他にも

BMP:Windowsの標準画像データフォーマット。TIFFと違ってタグという概念がなく始めからファイルの保存のレイアウトが決まっている。

などありますが、研究をしていく上ではまずTIFFで足りてしまうと思います。

JPEGしかない重要なデータを持っている方はPhotoshopなどで”別名で保存”でTIFFを選択したら、安心ですね。

少し薄い話になってしまいましたが、研究をする上では知っておいて損はないと思います。

時間があるときにもっと掘り下げていきたいと思います。

参考文献

デジタル画像に関する基礎知識(株式会社 十勝マイクロ)
画像解析テキスト―NIH Image,Scion Image,ImageJ実践講座 画像解析テキスト―NIH Image,Scion Image,ImageJ実践講座
小島 清嗣,岡本 洋一

羊土社

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