PBS(+)溶液の調整

PBS(Phosphate Buffered Saline)溶液といわれる中でもPBS(+)についての調製法です。

PBSについてはPBS(-)溶液の調整で紹介していますので、そちらをご確認ください。

PBS(+)というのはいわゆるオリジナルのPBS溶液です。実験でつかわれるのはPBS(-)が多いので便宜的にPBS(+)と呼んでいます。

[Materials]

1 x PBS(+)の調整
試薬もしくは溶液 使用量(1 L) 最終濃度
CaCl2•2H2O
(CaCl2•無水)
(1M CaCl2溶液)
0.13 g
(0.1 g)
(900 µl )
0.9 mM
MgCl2•12H2O
(1M MgCl2溶液)
0.1 g
(330 µl)
0.33 mM
10 x PBS(-) 100 mL 1 x PBS(-)

1. それぞれの試薬を混ぜ合わせる
2. 1Lになるように超純水でメスアップを行う
3. 濾過滅菌をして完成

注意していただきたいのはオートクレーブはしません。濾過滅菌です。
文献によってはオートクレーブをしているものもありますが、しないほうが無難でしょう。
これは溶液中にカルシウムやマグネシウムが含まれているためですが、また時間のある時に解説します。
また作製後に滅菌をするのでなく、先に作っておいた溶液のstockを濾過滅菌しておき、 PBS(-)をオートクレーブ滅菌しているのであれば、あらためて滅菌する必要もなくなります。
文献によって、カルシウム、マグネシウムの濃度が異なることもあり、実験に応じて検討をしていきましょう。

参考文献

Dulbecco, R. et al. (1954): Plaque formation and isolation of pure lines with poliomyelitis viruses. In: J. Exp. Med. vol. 99 (2), pp. 167-182. doi:10.1084/jem.99.2.167 PMID 13130792
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