博士100人の村を考察する(平成24年度ver.)

創作童話 博士100人の村というものをご存知でしょうか。

博士号取得者はどのような進路を歩むのかを紹介しているものです。

見たことのない方は以下の動画を見てみるといいと思います。(元のサイトはこちら)

この動画はサイトを元に作製されたとのことで、音楽も相まって一層悲壮感が漂ってきます。

しかしながら、博士100人の村は有名になりましたが、

肝心の統計データの出典がはっきりと示されていません。

どうやら、元ネタは文部科学省の学校基本調査ではないかとのこと。

博士の修了者が1万1千人程度と紹介していることから、

おそらくは平成10年から平成12年のあたりを元にしていると考えられます。

ということは実に10年前のデータを元にした話です。

そこで今回は、平成24年度の学校基本調査を元に、

まさに現在の博士100人の村を作製して比較してみたいと思います。

hyoushi
創作童話 博士100にんいるむら
より転載

博士が100人いるむら(平成24年度ver.)

ここは博士が100人いるむらーーー

最新のデータによると平成24年3月に卒業した博士は実に1万6千人を超えます

今回紹介するのはこの1万6千人の縮図。博士が100人いるむらです。

データが示す彼らの行く先を追ってみたいと思います。。。。。。

彼らは一体どこに向かうのでしょうか

なお、以下の文章中に出てくる「博士100人の村」はオリジナルを指しています。

100人中14人は医療へ

14人は医療の現場へと帰っていきます。

博士100人の村では医者が16人でしたが、

この統計データは、

医師、歯科医師、獣医師、薬剤師が含まれています。

残り86人。

100人中17人は先生に

博士100人の村では14人でした。

先生といっても多くは助教から始まります。

また、必ずしも大学とは限りません。

残り69人。

100人中11人がポスドクに

博士100人の村では実に20人でした。

この20人という数字がどこからきたかわかりませんが、

割合としては減っているようです。

なお、博士100人の村に沿った形で記事を書いていますが、

見方を変えると、平成24年度の非正規雇用の割合は、およそ14%です。

じゃぁ、 正規雇用は86%?

いいえ、正規雇用は52%です。

残り58人。

100人中30人が研究者、技術者に

この中には、

博士100人の村で出ていた「会社に就職する人 8人」が含まれているはずです。

また、「公務員 11人」も入っているのではないでしょうか。

ですが、この統計では、

いわゆるパートタイムのテクニシャンなども含まれていると考えられます。

なかなか扱いにくいデータです。

なお、研究者は30人中20人です。

残り28人。

100人中5人が他の分野に

これは研究者・技術者とは関係ない世界に旅立った人々です。

例えばビジネスマンになる方もいるわけです。

博士100人の村では7人でした。

残り23人。

100人中4人が無職に

博士100人の村では実に16人となっています。

今回示しているのは進学・就職準備の方の割合です。

なんで、こんなに人数がかわったのか。

学校基本調査の統計データには「その他」という項目があります。

100人中1o人がその他

その他とは一体なんなのでしょう。

考えられるのは雇用されるのでなく、

雇用する立場になった人。などでしょうか。

もしもこの方たちが、無職として扱われるのでしたら、

博士100人の村の16人に近くなりますね。

残り9人。

100人中2人が進学・留学

割合としては非常に少ないです。

医学部への転入や、海外の大学院への進学でしょうか。

内訳としては進学1人に留学1人です。

残り7人。

さて、ここまできて、

残りの7名は皆さんお分かりでしょうか。

100人中7人が行方不明・死亡

博士100人の村では8人でした。

1人減っていますが、ここ10年間の統計データをみても大体これぐらいの割合が続いています。

このデータをみてあなたは何を思いますか。。。?

いかがでしたでしょうか。

今回参考にしたのは文部科学省の学校基本調査(平成24年度 確定値)です。

平成24年の5月に行なわれた調査で、 この進学に関するデータは平成23年度の卒業生になります。

ここで忘れないでほしいのは分母の数値です。

100%からの割合を見るのは簡単ですが、それだけでは不十分でしょう。

正しいデータとは統計の分母を絶対値で知ることです。割合だけは本当の理解には至りません。

オリジナルの博士100人 の村は11000人の博士卒業生がでていました。

100人の村の博士1人につき、110人分です。

今回のデータはおよそ16000人の博士の卒業生です。

そして、今回は160人分。

ですから、行方不明者・死亡は、

割合としては一人減っていますが、絶対値としては増えていることになります。
また、今回は博士100人の村に沿って作製をするため、

分類や細かい割合は無視して無理矢理・大雑把にまとめてしまっています。

より丁寧な理解をしたいのでしたら、元の統計データを見ることをお勧めします。

この十年間で大学院重点化計画を始め、

博士の環境はめまぐるしくかわっています。

このような統計データがどれほど意味があるのかはわかりません。

研究室の主催する立場として、

学生に大学院への進学をすすめること自体を否定することはできません。

しかしながら、どのようなリスクがあるのか。

学生にキャリアを描かせないまま大学院への進学をすすすめる教員もまた多いのではないでしょうか。

博士課程は、数年間という期間を要します。

学生も十分に考えた上で進学を決めていただきたいです。

最後に、

これを博士課程の方が見ているとしたら、

あまりこの統計を真に受けないことをお勧めします。

あなたの所属する母集団はどこでしょうか。

医学系ですか?工学系ですか?情報科学系ですか?それとも文学系ですか?

博士は多様です。

一様にまとめてしまった統計データは、

現在所属している博士課程の学生自身に意味があるとは言えないのでしょうか。

自分の分野について知りたければ、

学校基本調査にある調査結果の概要を読んでください。

きっと欲しい情報があるはずです。

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参考文献

学校基本調査-結果の概要, 文部科学省

創作童話 博士100にんいるむら

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