2% X-galの調整

2% X-galの作り方です。

X-galは通称であり、

正式、名称は5-Bromo-4-chloro-3-indolyl β-D-galactopyranoside (5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシド)です。


X-gal(wikipediaより転載)

分子生物学においては、ラクトースオペロンの発現しているコロニーを簡単に見分けるために使用されています。

いわゆる青白選択というものです。

実際の反応は以下のようになっております。

β-ガラクトシダーゼと反応したX-galは、まず5-ブロモ-4-クロロ-3-インドールになり、

さらに酸化され、5,5′-ジブロモ-4,4′-ジクロロ-インディゴになります。


反応式(wikipediaより転載)

これがどうして青になるのか。

化学出身の方なら簡単にわかるでしょうが、

ここは一つ比較対象としてこちらを紹介します。


インディゴの構造式(wikipediaより転載)

反応式の最後と比べていただけるとわかるのではないでしょうか。

よくジーンズでインディゴブルーといいますが、

その青色を作っている染料(顔料)、インディゴの構造式です。似てますよね。


ジーンズ(wikipediaより転載)

こう思えばX-galの青色発色も身近に感じませんか。

では、2% X-galの作製方法を以下に示します。

[Materials]

・X-gal       MW=408.6

・DMF(ジメチルホルムアミド, N-N-dimethylformamide)

 
2% X-gal の調整
試薬  使用量(5 mL)   使用量(10 mL)   最終濃度 
 X-gal  100 mg  200 mg  2%
 DMF  5 mL  10 mL

[Method]

(5 mLの場合)

1.  試薬を100 mgはかりとり、5 mLのDMFに溶かす。

2.ガラスもしくはポリプロピレンのチューブに入れ、アルミ箔で包んで遮光する*。

3. -20℃で保存。

4. プレートに塗る際には30-50 µLを滴下して使用する。培地に加える際には500倍希釈して使用される。

*フィルターなどを使って濾過滅菌をする必要はない

参考文献

Wikipedia contributors. “5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシド.” Wikipedia. Wikipedia, 8 Apr. 2012. Web. 26 Aug. 2012.
 Wikipedia contributors. “インディゴ.” Wikipedia. Wikipedia, 21 Feb. 2012. Web. 26 Aug. 2012.
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追記

2016年5月:Methodの記述間違いを修正しました。

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