先日Natureに出た論文でニュースなどにも取り上げられている技術が「CLARITY」です。
下記の画像を見ていただけるとわかりやすいでしょう。
nature videoより転載
見事に脳が透明になっています。
透明にすることができると様々な利点がありますが、
中でも重要な点は、蛍光イメージングでしょう。
今回透明化したマウスは、
ニューロンなどに発現するThy1に、
YFP(GFPの一種)で標識したマウスです。
そのため、透明化をすることによって、
YEPが蛍光を発するために必要な励起光を脳の深部まで届けることができます。
nature videoより転載
結果、今まで見ることができなかった、
高解像度で美しい神経ネットワークを知ることができるのです。
下記のNatureVideoを是非ご覧になってください。
解説と音楽も良いです。
いかがでしたでしょうか。
ですが、ここで美しい!で終わってしまってはもったいないです。
是非、もう一つ動画を見ていただきたいです。
TEDにてカール・シューノーヴァー氏が「How to look inside the brain(脳の中身を見る方法)」という講演をしています。
脳の研究における進歩には 目を見張るものがあるが、実際どうやって脳内のニューロンを調べるのか?神経科学者でTEDフェローのカール・シューノーヴァーが、魅力的な写真の数々を使いながら、脳の中身を見せてくれるツールを紹介します。 -TEDより引用 |
5分程度の短い動画ですが、わかりやく科学者たちがどのように脳にアプローチしてきたかを述べています。
なお、日本ではScale法という生体をゼリー状にして蛍光観察が行える技術が開発されていました。
CLARITYはScale法など従来の方法に比べて処理時間の短縮、なにより組織に損傷などの影響を与えないことがポイントのようです。
Scale法については新学術領域「細胞機能と分子活性の多次元蛍光生体イメージング」の実験プロトコールのページにも詳細が載っています。
出典
・Chung, K.et al.(2013) :Structural andmolecular interrogation of intact biological systems. Nature. 2013 Apr 10. doi: 10.1038/nature12107. PMID: 23575631
・See-through brains, NatureVideoChannel
参考文献
・Hama, H. et al.(2011):Scale: a chemical approach for fluorescence imaging and reconstruction of transparent mouse brain. Nat Neurosci. 2011 Aug 30;14(11):1481-8. doi: 10.1038/nn.2928.PMID: 21878933