腸管粘膜の免疫学 / immunology in the Gut mucosa

動画を中心にお送りしてきた3月もあと二回となりました。

今回紹介するのは、nature videoに紹介された動画で、

消化管の粘膜免疫の機構を示しています。

解説はもちろん英語ですが、

映像を追いながら見れば、それほど難しくはないのではないでしょうか。

美しいCGとストーリー展開。音楽もあいまって高いクオリティになっております。

しかしながら、

動画を見る以前に、腸管粘膜免疫と言われてもピンと来ない方もいるでしょう。

なので少しだけ簡単にイントロダクションを。。

腸管、とくに小腸は「栄養吸収の場」です。

下記の図左のように小腸は体内で折り畳まれており、

その小腸表面には絨毛(図右)がびっしりと生え揃っています。

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(図左:zygote bodyより 図右:wikipediaより転載)

体内ではコンパクトに納められている小腸ですが、

絨毛が存在することで、

表面積は成人男性の場合でおおよそテニスコート一面分と言われています。

下記は今回紹介する動画中からですが、このようにびっしりと絨毛が生えています。

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私たちの一日に摂る食事の量とテニスコートを比べてみてください。

栄養吸収の場にどれだけ労力が注がれているかわかるかと思います。

絨毛は面積を増やすだけではありません。

その内側にある血管網とリンパ管を通して、

栄養は体中に行き届けられます。

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そして、上記の画像からも分かる通り、

もう一つ特徴的なのは、

絨毛のなかに点在している、パイエル板(Peyer’s patch)です。

このパイエル板は腸管における免疫機能の要と言っても差し支えないでしょう。

腸管において免疫機構が必須なのは、

腸管が栄養吸収の場であるが故に、

外来の異物と遭遇する場だからです。

つまり体に必要なものを栄養として吸収する一方で、

体に有害なものを排除していく必要に迫られているのです。

異物に対する免疫機構のONとOFF。

これらの区別がどのように行なわれているのか。

本動画ではこのシステムを簡潔に紹介しています。

より詳しく知りたいという方は

制御性T細胞(Treg)や、M細胞などがキーワードになると思います。

動画中にもそれぞれ細胞の名前が紹介されているので、気になるものは是非調べて見てください。

参考文献からもリンクを貼っておきます。

出典

Immunology in the Gut Mucosa, nature video

参考文献

粘膜免疫とM細胞, MBL

M細胞から腸管免疫のメカニズムを解き明かす, 理化学研究所

・Wikipedia contributors. “制御性T細胞.” Wikipedia. Wikipedia, 19 Mar. 2013. Web. 24 Mar. 2013.

・Wikipedia contributors. “腸絨毛.” Wikipedia. Wikipedia, 12 Sep. 2012. Web. 24 Mar. 2013.

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