エチジウムブロマイド、もしくは臭化エチジウムといいます。
研究室などにおいてはエチブロ、もしくはEtBrと略されることが多いのではないでしょうか。
分子生物学の分野では、DNAといった核染色によく使用されており、
使用にあたっては取り扱いの危険性を強く教わっていることと思います。
wikipediaより転載
上記のようにUV(紫外線)を照射すると、
DNAにくっついたエチブロが赤橙色の蛍光を発します。
なぜ、このように蛍光を発することができるかというと、
インターカレーション(wikipedia)がキーワードです。
wikipediaより転載
エチジウムブロマイドはDNAの二本鎖の間に入りこみます。
二本鎖の間に入り込むことで水から隔離され、
強い蛍光を発することができるのです。
なお、一本鎖であるRNAでも蛍光を出せるのはRNAが高次構造をとっているためです。
詳しくはwikipediaでも十分情報が得られます。
では、溶液の作製方法を紹介致します。
[Materials]
・エチジウムビロマイド C21H20BrN3 MW=394.32 強い変異原性、有害性があるため取り扱いに注意すること
・超純水
10 mg/ml EtBr 溶液 の調整 | |||
試薬 | 使用量(10 mL) | 使用量(200 mL) | 最終濃度 |
エチジウムビロマイド | 100 mg | 2 g | 10 mg/ml |
超純水 | 10 mL | 200 mL |
[Method]
(200 mLの場合)
1. 褐色瓶もしくは遮光可能な容器にエチジウムビロマイドを2g入れ、水を入れる*。
2. エチジウウムブロマイドは溶けにくいので、スターラーバー**を入れて1時間から一晩溶かす。
3. 遮光をした上で常温もしくは冷蔵庫で保存。
*濃度はそこまで厳密である必要はない
**使用したスターラーバーは入れっぱなしにしておきエチブロ専用にしてしまう
(10 mLの場合)
15 mLのチューブで作製し、アルミで遮光をした上で、ローターで一晩まわしておく。フタをしっかりとしめておくこと。
参考までに実際の使用における濃度の基準は、
ゲルの染色には0.5 μg/mL ( 20000倍希釈 )
塩化セシウム平衡遠心だと100 μg/mL
エチジウムブロマイドの取り扱いなどに関してはまた改めて記事にする予定です。
参考文献
・ | Wikipedia contributors. “臭化エチジウム.” Wikipedia. Wikipedia, 17 May. 2012. Web. 23 Nov. 2012. | ||
・ | 電気泳動プロトコール(PDF), ナショナルバイオリソースプロジェクト「ラット」, 京都大学大学院医学研究科 付属動物実験施設 | ||
・ | じっけんレシピ(PDF), SIGMA-ALDRICH | ||
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