パラフィン包埋切片作製時のコツ〜温度管理〜

HE染色を始めとして、

パラフィン包埋をしたサンプルの薄切は非常に大切なステップです。

しかしながら、

温度が高いときには、

切片が刃についてしまうことや、

シワができることがあります。

逆に温度が低すぎる場合には、

切片が崩れてしまったり、丸まってしまうことがあります。

大切なのは各サンプルにあった適切な温度条件になるよう、

調節をすることです。

本エントリーでは、こうした問題に対処すべく、簡単な方法を紹介します。

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HE染色(wikipediaより転載)

1.温度が高すぎるとき

夏場など室温が高くなる際には、パラフィンブロックを冷やす必要があります。

簡単な方法としては、面だしをした後、冷蔵庫・冷凍庫に入れておき、冷えたらすぐに薄切を行ないます。

もしくは保冷剤を薄切面におき、冷やした後にすぐ薄切を行なうこともできます。

2. 温度が低すぎるとき

室温を高くするか、息を吹きかけましょう。

息を吹きかければ静電気の防止にもなり、切片が刃につくのも防ぎ易くなります。

たったこれだけの作業ですが、

薄切の作業は非常に重要な操作です。

サンプルごとにおいても適切な条件は変わってきます。

今回は温度管理について書きましたが、

実際には刃のキズや、固定が不十分な場合など、様々なパターンが考えられます。

温度管理については、パラフィンブロック作製後でも変化させることができるので、

上手に薄切が行なえない場合には、試してみてください。

参考文献

スタンダード病理学 病理検査のすべて スタンダード病理学 病理検査のすべて
大西 俊造,神山 隆一,梶原 博毅文光堂Amazonで詳しく見る
新人のときに困ったこと その解決方法(PDF), 病理細胞検査研究班,  愛知県臨床検査技師会
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