プロテイナーゼKのstock溶液

プロテイナーゼK (Proteinase K)はセリンプロテアーゼの一種で、

私たち生命科学者の間では主に核酸の抽出に使用されます。

別名、エンドペプチダーゼ K (endopeptidase K)。

人によってはプロティナーゼ Kだったり、プロテナーゼKという方もいます。

1
プロテイナーゼKの構造(wikipediaより転載)

今回はストック溶液の作製方法を紹介しますが、

すでに出来合いのものを購入されている研究室も多いでしょう。

元々は1974年にMerck社のEberlingらによって報告された酵素であり、

Engyodontium album(旧名:Tritirachium album)という真菌の抽出液から単離されました。

非常に強力なプロテアーゼであり、

タンパク質、ペプチド、アミノ酸エステルにはじまり基質特異性が高く汎用性が高いです。

また、DNAやRNAといった核酸を分解するヌクレアーゼの不活化も迅速に行えるため、

生命科学の実験系には適しています。

[Materials]

・Proteinase K (粉末)

1 M Tris-HCl(pH7.5 : pHは8.0などでも可)

1M CaCl2

・Glycerol

Proteinase K ストック溶液
試薬  使用量(10 mL) 使用量(50 mL)  最終濃度
 Proteinase K  200 mg  1000 mg  20 mg/ml
 1 M Tris-HCl  200 µL  1 mL  20 mM
 Glycerol  5 mL  25 mL  50%
 1M CaCl2
 10 µL  50 µL  1 mM
 超純水  to 10 mL  to 50 mL

[Method]

1. 滅菌チューブ(15 mLチューブや滅菌試験管など)にProteinase Kおよび各種溶液を入れる。

2. 溶けたのを確認した後、必要に応じエッペンチューブなどに、小分けして-20℃に保存。

プロコールによっては単に超純水に溶かして-20℃で凍結するものもあります。

グリセロールは凍結防止に、カルシウムが入っているのは長期保存を可能にするためですが、

それほど気にならないのであれば水のみの使用が楽かもしれません。

実際にバッファーに入れる際の至適pHは7.5-10で、pH4やpH11 でも50%以上の活性もあるそうです。

使用時には、50~500 µg/mlの濃度で扱います。

また、SDSや尿素、Triton-X100を加えることや、

温度を上げることで、タンパク質の分解活性が向上します。

研究室によって組成も様々かと思います。

なお、名前の由来は、

論文によると、ケラチン(Keratin, 髪の毛など)の加水分解ができるところから名付けられたそうですが、

メルク社の商品説明では、Engyodontium albumはウールや羽といったケラチンに生息していることから、

KeratinのKがつけられたとあります。

関連記事

DNAの抽出(Proteinase K method)

参考文献

Wikipedia contributors. “Proteinase K.” Wikipedia, The Free Encyclopedia. Wikipedia, The Free Encyclopedia, 16 Mar. 2013. Web. 29 Mar. 2013.
Wikipedia contributors. “プロテイナーゼK.” Wikipedia. Wikipedia, 25 Sep. 2012. Web. 29 Mar. 2013.
Proteinase K(PDF)Merck Millipre
Proteinase K(PDF), タカラバイオ株式会社
Ebeling W, Hennrich N, Klockow M, Metz H, Orth HD, Lang H (1974). Proteinase K from Tritirachium album Limber”. Eur. J. Biochem. 47 (1): 91–7.doi:10.1111/j.1432-1033.1974.tb03671.x. PMID 4373242.
スポンサーリンク
  

購読は下記からどうぞ