前回、DNAの抽出方法としてHot-shot methodを紹介しましたが、
今回紹介するのはProteinase K method(ProK法)です。
こちらはHot-shot法と同様に非常に簡単なプロトコールです。
若干ですが、Hot-shot法よりも時間がかかります。
私の感覚ですが、
Hot-shot<ProK<フェノクロ
の順に精製度は上がって行くと考えられます。
詳しくは比べたことがないので、
評価できませんが。。。
では、さっそく紹介したいと思います。
[Materials]
・ tail digestion buffer (TDB溶液)
・ Proteinase K
TBD溶液の調整* | |
試薬もしくは溶液 | 最終濃度 |
KCl | 50 mM |
Tris-HCl (pH 9.0) | 10 mM |
Triton X-100 | 0.1 % |
*参考文献ではProteinase Kを入れた溶液をTBDと呼んでおりますが、加えない状態で作製をしておいたほうが、使用の都度ProKを入れられますので便利です。作製したTBD溶液は室温で保存できます。
[Method]
1. 必要量のTBD溶液にProteinase Kを0.4 mg/mlになるよう加える
2. マウスのtail(尻尾)もしくはgenotypingを行いたい組織をチューブに入れる(大きすぎるのはよくない)。
3. マウスのtailの一片(大体2 mm-5 mm)にたいして100 µlのProK入りTDB溶液を加える。
4. 60℃にて三時間(30分おきにゆっくりmixするのが望ましい)。もしくは55℃で一晩置いておく。
5. 94℃で10分処理(この操作はProKの酵素活性を失活するために行われる**)。
6. 15分ほど遠心して、その上清をPCRに使用する。
7. PCRの結果が芳しくない際には上清を水で10倍希釈して試してみる。
**一般にProKの酵素活性はフェノール/クロロホルム抽出もしくは95℃10分にて失活します。
これらの操作を行っても上手くいかない時には、フェノクロ精製を試すのが良いと思います。
関連文献
参考文献
・ Proteinase K, タカラバイオ株式会社
・ DNA preparation Techniques (Trasgenic Mouse Facility, University of California Irvine)