実験操作における死細胞の染色は簡単です。トリパンブルー(wikipedia(英語))を使います。
曰く
アゾ化合物(wikipedia)であるトリパンブルーは死んだ組織や細胞を簡単に染め分けてくれます。
尚、死細胞の染色は可能ではありますがアポトーシスやネクローシスの判別などはつきません。
トリパンブルーがタンパク質と結合することで青色になるのですが、死細胞が染まるのは細胞膜が壊れて細胞質が出るためです。
[Materials]
- 粉末のトリパンブルー
- PBS(-)溶液
- 滅菌用フィルター(0.45µm以下のサイズ)
(試薬の作り方)
- 0.2gの粉末トリパンブルーを40mlのPBS溶液に溶かす
- 滅菌用フィルターを用いて濾過滅菌をする
- 2mlのtubeに分注(ビンなどにまとめておいても良い)
- 常温で保存
[Method]
- 細胞懸濁液とトリパンブルー溶液を1:1で混和する。
- 血球計算盤に流す
- 細胞数のカウントを行う。
懸濁液と1:1で混和しているので、実際の溶液中細胞数はその二倍です。
細胞致死率を測る際には死んだ細胞を含めた全体数から死細胞の割合を測ることでわかります。
PBS(-)溶液以外に蒸留水でも代用できますが、浸透圧がかわってくるためPBS(-)を私は推奨しています。
染色は1分もあれば死細胞は染まります。
一方、染めた状態で30分以上放置して測定するのはよくありません。
(トリパンブルーの毒性で細胞がやられるため徐々に死細胞の数が増えていくそうです。)
また、当量混和しなくても大体5%ぐらい入っていれば十分染まるので、実験に合わせて考えてください。
参考文献
- Protocol for use of the dye from Northwestern University (PDF)
- 最新アポトーシス実験法(羊土社 1995年)
- バイオ実験イラストレイテッド〈6〉すくすく育て細胞培養(秀潤社 1996年)