研究者のためのSNS 「Research Gate」の紹介と感想

Research Gate(http://www.researchgate.net/)というSNSをご存知でしょうか?

コンセプトは、まさに研究者のためのFacebookといえるでしょう。

実に300万人を越える会員登録があり、

中でも医学と生物の会員を合わせると、3分の1にあたる100万人を優に越えているのです。

wikipediaによると、

ResearchGate (リサーチゲート)は、科学者・研究者向けのソーシャル・ネットワーク・サービスで、原著論文の共有や質問・回答、協力者の募集などが可能になる。ResearchGate はFacebook、Twitter、LinkedInなどのサービスにある「プロフィールページ」「コメント」「グループ」「いいね!ボタン」 「フォロー」などの機能を混合したサービスになっている。登録メンバーは生データや失敗した実験結果なども、それを公開することによって他の研究者が同じ過ちを繰り返さないために、成功した結果と同じように共有することを勧められている。マイクロソフトの共同設立者であるビル・ゲイツは ResearchGate への投資者の一人である。 ResearchGate 社は Ijad Madisch によって2008年に設立された。Madisch は科学者が雑誌にお金を払って研究データを出版するのではなく、自分のサイトで研究結果やデータを出版する将来像を描いている。ーwikipediaより

とあります。

こちらの概要については、

外部サイトにて既に紹介している記事を見つけましたので、どうぞご覧下さい。

ビル・ゲイツも融資! 研究者のためのFacebookこと「ReseachGate」が科学に変革をもたらす

LSPでは簡単に使用感と感想を述べておきます。

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開始から数年が過ぎていますが、

残念ながら日本ではそれほど浸透していません。

そのため、日本人同士のコミュニケーションには向いていないと考えられます。

現時点では、日本語にも対応してないのも普及を妨げている原因でしょう。

一方で海外の研究者とのコミュニケーションや、

気になる研究者が使用していれば、

最新の研究報告をフォローするのには便利でしょう。

Q&Aの機能などもあり、

実験のトラブルシューティングに活用ができそうです。

なお、登録するとメールがスパムかと思うほど届くので、

設定から必要なもの以外は全て除いたほうが無難かと思います。

また、自分では読めない論文をリクエストすることができるのですが、

ワンクリックであまりにも簡単にリクエストできるため、

逆によくないのではと感じました。

日本向けの研究者SNSに近いものといえば、

科学技術振興機構(JST)のReaD&Researchmap(http://researchmap.jp/public/about/)が有ります。

こちらは科研費の研究者番号があれば簡単に登録ができ、

SNSとしても、外部に向けたウェブコンテンツとしても利用可能です。

残念ながら、LSPのメンバーも誰も使用しておらず、

界隈で使用している研究者が少なく、

実際に利用されてらっしゃる方がいましたらレビューをいただけると幸いです。

Research GateもReaD&Researchmapも、

ある程度頻繁にアクセスすることで、

真価を発揮するコンテンツになると思われますが、

現実的には難しいのではないでしょうか。

Facebookほどプライベートには関与せず、

かといって業務の一環としてアクセスが義務づけられているわけでもない。

アクセスをしたくなる仕掛けがもっと多く有ればと思います。

また実名を利用することについての拒否感や、

学生の場合は指導教官の手前、オープンな場所で研究について気軽に話すことは抵抗感もあるかもしれません。

そもそもResearch Gateでは、失敗した実験の共有を勧められていますが、

プロトコールにはじまり、

実験の手技もオープンにすることに抵抗がある研究者(特にPI)が、国内外関わらず多いように感じます。

最後に、本当に著者の個人的な感想となりますが、ネガティブデータの取り扱いについてです。

研究の多くはネガティブデータを量産しており、これを共有することは素晴らしいことだと思います。

現実的には、前述の問題などありますが、

例えば、JOURNAL OF NEGATIVE RESULTS(http://www.jnrbm.com/)という雑誌があります。

その名の通りネガティブデータを取り扱っています。こうした取り組みも一案かもしれません。

皆様はどのように感じられますか?

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