70% エタノールの作製方法を紹介します。
非常に汎用性が高い試薬の一つでしょう。
RNA用に調整する場合はRNase Freeの水(DEPC水など)を使用してください。
また、下記のmethodで注意していただきたいのは、
先にエタノールを測りとることです。
エタノールでメスアップを行うようなことはしないようにしましょう。
水を1 Lとエタノールを1L混ぜても2 Lになりません。
これは水分子の隙間にエタノール分子が入り込み、
水素結合で全体を引きつけ合うためにおこります。
エタノール分子(wikipediaより転載)
[Materials]
・100% EtOH (試薬特級の無水エタノール(99.5%*))
危険物指定、引火性有り
・超純水
*一般的に99.5%の無水エタノールを100%EtOHとして扱う
70% EtOH (v/v) の調整 | ||
試薬もしくは溶液 | 使用量(500 mL) | 最終濃度 |
無水エタノール | 350 mL | 70%(v/v) |
超純水 | >150 mL |
[Method]
(500 mL作製する場合)
1. 350 mLのエタノールを測る。
2. 水を加えて500 mLまでメスアップする**。
3. 冷蔵, あるいは-20℃にて保存する。
**500 mLまでメスアップするには150 mL以上必要になる。
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70% EtOHというものを考えるとき、
二種類の考え方があります。
一つはvolume/volume、
もう一つはweight / volume。
詳しくはまた違う機会に譲りますが、
前者は分子生物学、特にDNAの抽出などに用いられる70%EtOH(v/v)であり、
後者は消毒のために用いられる70%EtOH(w/v)**です。
一般的にエタノールの殺菌力というものは100% よりも70%のほうが効果は強いと言われていました
しかしながら最近では60%~95%であれば大きな差がないと言われているそうで、
研究室にて消毒用に作製する場合にも70%EtOH(v/v)を気にせず扱えばよいと考えられます。
**これは v/vでおおよそ80%EtOH(w/v)になり、日本薬局方にて規定されている消毒用EtOHの濃度(76.9~81.4 vol(v/v)%)である。
参考文献
・ | Wikipedia contributors. “エタノール.” Wikipedia. Wikipedia, 22 Jun. 2012. Web. 14 Jul. 2012. | ||
・ | アルコールの殺菌効果, 山本研究室, 岡山県立大学 | ||
・ | [化学]水1リットルとエタノール1リットルを混ぜた。体積は?, モノシリ | ||
・ | 第十六改正日本薬局方 名称データベース | ||
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