世界平和のために
1998年8月、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマがニューヨークで行った講演をもとに、仏教哲学から仏教の基本的な教えを理解する方法をはじ め、日々の生活の中でもできる「実戦的瞑想法」を会得する手法、いつくしみとあわれみの心を育てる手法などを、ユーモアを交えながら、やさしく説くダラ イ・ラマの教えと世界平和へのメッセージ。 世界平和のために (ハルキ文庫) わかりやすい。 訳書のせいか、全体的に単調すぎる文章ですが、 それを加味しても、十分わかりやすい。 他の宗教を否定することなく、 仏教哲学を組み込んでいくこと。 私は輪廻転生を信じませんが、それでもこの本に触れてよかったと思っています。 気にいったところが二つ。 分析的な瞑想。 批判的な心の必要性。 どんなに素晴らしい人間であれ、 事柄であれ、 間違える可能性がある。 そこに、可能性がある以上、批判的な心をもって、問いかけるのは大切であると。 批判を繰り返すことによって、より肯定できるようになる。 盲信ほど愚かなものはないと私も思います。 唯識。 客観的な事実なんてない。 それぞれ同じものを見たとしても、感じ方は人それぞれで、 実際に同じものを見ているとは限らない。 それぞれの認識の上になりたつ客観的事実は非常に感覚的で、 一緒になることはできない。 日常生活に即する面を語ってくれていると思う。 NEWSなどで語られるダライ・ラマ。 一方的な側面からの押しつけがましい情報に踊らされることなく、 多面的にひとつの事柄を批判的に見ていきたいです。 これはよりよく人である為の必要なエッセンスに感じました。