ドデシル硫酸ナトリウム、つまりSDS(Sodium DodecylSulphate)です。
wikipediaより転載
別名、ラウリル硫酸ナトリウム(sodium lauryl sulfate, SLS)とも呼ばれています。
SDS自体は様々な場所で使われており、
代表的なものとしては洗剤が挙げられます。
これはSDSが陰イオン性の界面活性剤(wikipedia)という特性を持っているためです。
こうした性質を利用して研究では、
タンパク質の可溶化・変成などに用いられます。
また、SDSと結合したタンパク質は強い負の電荷を帯びるため、
主にSDS-PAGE(wikipedia)などに使われます。
これは、2つのアミノサン残基に大して一つのSDS陰イオンが つくため、
上記のような実験系において、
それぞれのタンパク質の質量依存的に負電荷を帯びることから、
定量的にタンパク質の量を可視化することに成功しています。
今回は10%SDS(w/v) SDS溶液の作り方を以下に示します。
主な用途としては2x SDS sample bufferの作製などがあります。
[Materials]
・SDS:CH3(CH2)11OSO3Na MW=288.38
10% SDS の調整 | |||
試薬 | 使用量(100mL) | 使用量(200mL) | 最終濃度 |
SDS | 10 g | 20 g | 10% |
超純水 | 約100 mL | 約200 mL |
[Method]
1. ビーカーもしくはメディウムビンに水を作製する予定量の8割ほど加えておく。
2. SDS粉末を測りとる。飛散に注意*。
3. SDSを加えながらスターラーで撹拌する。(メディウムビンもしくはチューブの場合はフタをしめた上で振り混ぜても良い)
4. (振り混ぜた場合は泡が消えるのを待って)水でメスアップを行う**。
5. 室温にて保存***
*SDS粉末は大変細かく飛散しやすい。目やのどの粘膜に対する刺激が強いため、注意すること。手袋や保護眼鏡をした上で、ドラフト内での使用が望ましい。目に入った場合には大量の水で流すこと。
**必要に応じNaOH、HClでpHの調整(pH7.2)を行う。しかしながら、大抵の場合は不要である。市販されているSDSの大半のpHが中性付近であるため、緩衝能のないSDSで細かくpHをあわせることはそれほど意味をなさない。心配であれば一度pHを計測し、中性付近であれば、今後測る必要はない。
***SDSはRNaseやDNaseの阻害剤であるためオートクレーブは不要。
より濃いSDS溶液(20%など)を作製する場合はSDSが溶けにくい場合がある。その際には加温すると溶けやすくなる。
原液は寒いとSDSが析出することがあるが、ウォーターバスなどで加温することで溶けるはずである。
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参考文献
・ | Wikipedia contributors. “ラウリル硫酸ナトリウム.” Wikipedia. Wikipedia, 14 Dec. 2011. Web. 6 Jul. 2012. | ||
・ | Wikipedia contributors. “Sodium dodecyl sulfate.” Wikipedia, The Free Encyclopedia. Wikipedia, The Free Encyclopedia, 9 Jun. 2012. Web. 6 Jul. 2012. | ||
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