4% PFA / PBSの調整

4% Paraformaldehyd /PBS の調整方法

切片の固定などによく使われる固定液です。

いわゆる化学固定に用いられます。


ホルムアルデヒド(wikipediaより転載)

同じようにホルムアルデヒドが含まれるホルマリンとの違いについては、

また時間のある時に紹介します。

今回は作製についてのみ。

[Materials]

・Paraformaldehyd(PFA)粉末

・10x PBS

・滅菌水

・NaOH

・HCl

[Method]

1. 三角コルベンに撹拌子を入れる。使用する撹拌子はPFA専用にしておく。

2. 滅菌水を40ml加える。ホットスターラーで、撹拌子を回転させながら、60℃になるよう加温していく。
(温度設定のできる電子レンジを持っているラボがあればレンジで60℃にしておくと楽です。)

3. PFAを4g入れる。(PFAは劇物のため各研究室のマニュアルに沿って取り扱いを行なうようにすること)

4. NaOHを入れて溶液が透明になるまで加えていく。全て溶けたら冷めるのを待つ。
(例:2N NaOHで数滴、10N NaOH で10µlほどを目安*)
(pH試験紙でcheckをする。pHが7~8であることを確認する**。)

5. メスシリンダーに入れて、量を調べる。

6. 10x PBSを10 ml入れ、足りない分、超純水を加えて100 mlにする。

7. pH試験紙をつかってpHの最終checkを行う**。必要があれば、少量のHClを加えて調整を行う。

8. 必要に応じて、分注をして使用。

*実際どれほどかは皆様のフィードバックをお待ちしております。
**PFAの使用の際にはpHメーターは使用しない事をお勧めします。

慣れてきてNaOHの加える量がわかってきた場合、

一回目のpH試験紙のcheckはしなくても良いと思います。

また、最終的にはPBSを加えるのでpHは作製しておいたPBSのpHにひっぱられます。

PBSの使用が一般的ではあると思いますが、

PBを使用しているラボもあるそうです。

凍結保存をする場合(15 mlチューブで保存の場合)

1-1. 5.のメスシリンダーでcheckした後、50 mlになるよう滅菌水を加えて調整。

2-1. 15 mlチューブなどに5 mlずつ”8% PFA”として分注し、-20℃にて凍結

3-1. 解凍する際には凍った状態からチューブをお湯につけて溶かす。

4-1. 4% PFA/PBSになるよう1 mlの10x PBSおよび4 mlの滅菌水を入れる。

5-1. 必要に応じて使用

最終的に4% PFA/PBSになれば良いので、各自の作り易いようにしてください。

作製後は速やかに使用することをお勧めします。

PFA溶液は、時間の経過に従って、酸化によるギ酸の生成などが起こります。

特に、免疫染色や電顕のサンプルなどは適時調整し直すのが良いと言われています。

各自の裁量で実験を行なってください。

また今回は4% PFAを紹介しましたが、同様の手法で様々な濃度を作製する事ができます。

用途に応じて作り分けてください。

関連記事

10x PBS(-)の調整

水のあれこれ

参考文献

4% paraformaldehyde in PBS (West Lab)
 Wikipedia contributors. “ホルムアルデヒド.” Wikipedia. Wikipedia, 24 Mar. 2012. Web. 3 May. 2012.
バイオ実験で失敗しない!免疫染色・イメージングのコツ―サンプル調製から抗体の選択、染色法の手技、顕微鏡観察までの実践的ノウハウ (実験医学別冊 21) バイオ実験で失敗しない!免疫染色・イメージングのコツ―サンプル調製から抗体の選択、染色法の手技、顕微鏡観察までの実践的ノウハウ (実験医学別冊 21)
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