フェノール・クロロホルムの作り方です。
phenol、chloroform、isoamylalcoholが入っており、PCIとも呼ばれます。
もしくはクロロパン(chloropane)とも言うそうです。
フェノール・クロロホルムは核酸の抽出や精製に用いられます。
総じて、フェノールクロロホルム抽出とかフェノクロ精製などと言われます。
サザンブロッティングのような高濃度かつ精製度の高いDNAを回収する場合には、
中性フェノール抽出をした後に、フェノクロで処理を行います。
DNA抽出の一連の操作は今後の記事に譲り、
本エントリーではフェノール・クロロホルム溶液の作製方法を紹介します。
[Materials]
・フェノール
DNA用は平衡化中性フェノールを準備。
RNA用は水飽和フェノールを準備。
・CIA
作製方法はCIA 溶液の調整を参照してください。
作製にあたり、フェノール, CIAの取り扱いは参照記事の注意事項を読むこと。
手袋をして使用する。
[Method]
1. フェノールとCIAを等量(1:1)で、混合する。
2. 遮光したガラスビンに入れて、4℃で保存。
廃液の処理などについては、各施設の取り決めに従うこと。
等量加える際にフェノールは水層(上層)とフェノール層(下層)に分かれていると思いますが、
水層は無視をしてフェノール層の量を使います。
また、 等量を加えた場合でも、
混合すると見かけのボリュームは減ってしまいます。
これはフェノール層に溶け込んでいた水がCIAを加えることで水層に逃げるためです。
(そのため、水層は増えています。)
今回はCIA溶液をあらかじめ作製しているのを前提としていますが、
DNA用はフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールが25:24:1の割合になれば良いです。
RNAでは、50:49:1が推奨されます。
DNAの回収にはpH8.0にしっかりと合わせておくのが良いので、
特に大きなゲノム回収などの際には、改めて0.1 M Tris(pH8)を適量加えるといいでしょう。
おおよそ元のvolumeの10%ほどが基準です。量が多い場合には1 M Trisを使用しても構いません。
およそ保存期間は4℃で一ヶ月が目安です。
詳しい原理はまたどこかで話をする予定です。
一方で、pH6.7前後は安定な保存が可能であり、多くの核酸抽出に使用できるそうです。
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参考文献
・ | フェノール・クロロホルム抽出, Bio-Wiki | ||
・ | じっけんレシピ, SIGMA-ALDRICH |
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