環境問題一覧

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地球環境「危機」報告

地球環境「危機」報告 WHO(世界保健機構)によると、 世界で毎日約2万5千人が飢餓、あるいは栄養不足に関連した死因でなくなっている。 そのうち4分の3は5歳未満の子供であり、 5秒足らずで一人の子供が死亡し、 1時間ごとに子供で満席のジャンボジェット機が墜落する計算だ。石弘之氏の最新レポート。 2008年発売だが、もう発売してから二年経ち、 あっという間に世界情勢も変わり、 それに呼応するかのように私たちの環境も変化してしまっている。 それでも、この本には読む価値があると思います。。 著者のあとがきもよかった。 「全世界の人々がそれぞれ考えるあたりまえの幸せに向かって動いたら、 それこそ地球はこわれてしまうかもしれない。」 みんな幸せに。 それだけのことが難しく、いかんともしがたいのかもしれない。 全十章から構成されており、 どれもが私たちの将来に直結する内容でした。 第一章 世界に広がる人種抗争 -人口の過疎過密が引き金に 第二章 巨大化する災害 -開発で脆弱化する自然 第三章 海は空っぽ -乱獲で消えた魚 第四章 飢餓か飽食か -両極化する食糧問題 第五章 水の争奪戦が始まった -新たな資源戦争のはじまり 第六章 横行する違法伐採 -森林破壊の果てに 第七章 激化する黄砂 -誰が砂漠を広げているのか 第八章 新顔ウイルスの脅威 -環境の変化が生んだ感染症 第九章 動物たちの黙示録 -六回目の大量絶滅時代 第十章 からだをむしばむ化学汚染 -どこまで汚せば気が済むのか どれも大切な話ですが。第三章から第五章までの食糧関係が特に私は集中してしまいました。

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私の地球遍歴ー環境破壊の現場を求めてー

第一章 環境保護運動家の死 環境保護の前線にいる人々の姿が映し出される。 日本で訴える環境保護などとは比較にならないぐらい、切実な環境破壊の現場での環境保護運 動。まさに戦争の最前線みたいなものだ。いのちをかけて環境保護のために走り回る。口でいうだけの「いのちをかける」。そんなものとはまったく違う、本当 の「いのち」をかけて、今日もどこかで死んでいる人がいるのかと思うとやりきれない。 第二章 死に急ぐ先住民たち 先住民の自殺率があがっている。それが意味するところは? 狩猟民族から狩りを奪ったら、どうなるのだろう。彼らが培ってきた文化は急速に変わり始めている。自分の意思とは無関係に変化の流れが襲ってきている。それでも、そこにある絶対的なジレンマと抱えて、彼らの伝統と押し寄せる近代化を見つめる。空虚さしか感じられなかった。 第三章 飢餓キャンプの現実 負の連鎖反応の繰り返し。 エチオピアという国のありかたについても考えさせられた。 第四章  砂漠の村のできごと 最後の追記が衝撃的だった。 砂漠化という、少し環境問題に興味があれば知っているような内容であるが、近年叫ばれている表層的なものでなく、その内側まで、さらにはそこに住む人々までレポートしてある。 第二章と同様、そこに住む人たちの伝統と現実とのジレンマを感じる。 第五章 東欧の汚染地帯 環境問題と政治のありかたを考えさせられる。 資本主義も環境破壊の一因であるけども、社会主義に関しては環境破壊の急先鋒になりえると心から思えた。結局は目先の欲にとらわれる現実が見える。 第六章 中国二つの大河 黄河の断流からはじまり、中国の発展速度に対す現状での環境問題。最終的には食文化までを語っている。なにかと環境問題で取り上げられる中国。日本に近いからこそ、私たちは知らなければならないかもしれない。 第七章 奪いつくされる海 人間の活動に屈する海、とはまさにその通りかもしれない。 かつて、人間は広大な海を無限にあるような錯覚に陥っていた。危ない化学物質を海 に投げ込めば、無限い希釈されて最終的には無害なものになる。そういう考えもあった。でも、実際は、そんなことはない。海で攪拌される前に問題がおきた り、はてには攪拌されても生物濃縮で帰ってくる。海は無限でないのだ。有限の中で一定の秩序を保っている。人口増加の一途をたどることによる、海への影響 をつづっている。 第八章 南極の緑の大草原 著者が強く思いを馳せていたという南極。 僕もいってみたいと思う場所の一つです。人間の手が加わっていない土地という印象が強いかもしれま せんが、その実態は基地の存在、観光客の押し寄せによって汚されているみたいです。また、地球温暖化やオゾンホールの拡大などのダメージをよく受ける場所 でもあるとのことで、とても繊細な場所なんだと思います。そんな場所のレポート。 第九章 原発事故の余波 日本にとっても他人事でない事件だと思う。 このチェルノブイリ原発4号炉での爆発は広島の原爆500個分もの放射線物質が飛び散ったそう だ。これだけで、どれだけ危ないかが大まかにだが想像できる。さらには、恩恵を受けている私たちにとって、この原子力発電は約束された負の遺産なんではな いかと考えてしまう。廃炉になった原発は未だに無害化する技術がないからだ。この事故の後、そこに住んでいた人々をメインに話が進んでいく。人間はなんて 愚かなんだろうと思えた。 第十章 戦争が奪う人間と環境 戦争の遺産は多くは負の遺産である。でも、僕にとっては残しておかなくてはならない、負の遺産だってあると思う。戦争の知らない世代が増えてきたと しても、戦争を再確認するものがあれば、実学にはほど遠くても学ぶことはできる。知っていることと知らないことでは大きな差がある。非人道的な戦争の行い を語っている。