教育一覧

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山中伸弥とiPS細胞

iPS細胞にて一躍有名になられた山中伸弥博士。 2006年に米雑誌"Cell"にマウスでiPS細胞作製成功の論文をだし、その後2007年にはヒトでも成功させております。 わずか数年足らずでここまで大きな研究の分野が確立されたのは大変なことです。 今回、毎日新聞の記事にて山中博士のインタビューが乗っておりました。 研究の道筋を知ることができる貴重なものです。

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人体の不思議展の問題

日本で人体の不思議展(wikipedia)なるものが長い事ひらかれておりました。 私自身もこれらを見に行ったことがあり、なんともいえない気分でした。 本日ニュースにて、人体展がとりあげられていました。 なんで、今まで取り上げられなかったのか、も気になりますが。。。 しかしながら、どうあれ従来、医学を志す学生のみにしか見れなかったものが見れる訳ですから、興味がでないわけがない。 考え方をかえれば、以前紹介した医学と芸術展のように芸術系の学生にとっても、気になるものでしょう。 一方で、この人体模型が何者であるか?は大変気になる問題となっています。 youtubeに人体展と中国の人体闇市場という投稿があり、 ABCニュースをご丁寧に日本語訳をつけてあります。 気になる方は是非見てみるといいと思います。 Part1/2 Part2/2 人体展が開かれるまでの経緯についてwikipeidaに書いてある通りのことが本当だとしたら、 まさにそこにあるのは生命の尊厳とは何か?という倫理的問題でしょう。 この問題については多くのところで勃発しているようです。 とても難しく、私ができるのはこの問題があるという提起するのが精一杯です。 身元のわからない死体で展示会をしている。 でも、実際に見れるなら見てみたい。 そんな、倫理観と好奇心が混ざっております。 何が正しいかはわかりませんが、そういった事実が人体展の裏側にあるのなら、 それをよく理解した上でそこに行くべきだと思います。 何も考えずに模型をただ触るのだとしたら、それはよくないと思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 毎日新聞の記事より 京都市勧業館みやこめっせで開催されている「人体の不思議展」(同展実行委員会主催)の人体標本が死 体に当たり、特定場所以外での保存を規制する死体解剖保存法に抵触する恐れがあるとして、京都府警が捜査していることが19日、府警への取材で分かった。 厚生労働省は展示の標本が死体に当たるとの見解を示している。 同展は遺体を特殊加工した標本など約170点を展示。同法は大学など以外で遺体を保存するには都道府県などの許可が必要と定めているが、京都市に許可申請は出ていない。 同展は02年から全国35会場で開かれ約650万人が入場。京都展は昨年12月4日に始まり、展示を問題視する京都府保険医協会などが昨年12月、告発状を提出した。府警は受理していないが、厚労省へ照会するなど独自に捜査を進めている。 厚労省医事課は取材に対し「『保存』の解釈は難しく、展示が違法かどうかは司法判断になる」と説明。同展会場事務局は取材に「答えられる人間がいない」と話している。【林哲平】 毎日新聞 2011年1月19日 20時20分

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中間径フィラメント

細胞骨格というのは言わば細胞の骨です。 時空間的に移り変わる様々な環境に対応する為に、 この細胞骨格は時に頑丈に、時にしなやかに動かないといけないのです。 細胞骨格は3種類あります。 中間径フィラメント(intermeadiate filament(wikipedia))、微小管(microtubule(wikipedia))、アクチンフィラメント(actin filament(wikipedia))です。 今回のmovieで紹介されているのは、中間径フィラメントです。 movieにある通り、中間径フィラメントは脊椎動物や線虫や軟体動物などの後生生物のみにしかない、細胞骨格です。 そして、微小管(25nm)とアクチンフィラメント(5~9nm)の中間の太さ(10nm)です。 この中間径フィラメントの働きはmovieを見ていただければ、すぐわかると思います。 尚、このmovieでは上皮組織における中間径フィラメントの働きを中心にしておりますが、 他にも核膜における核ラミナを構成したりと、多様な働きを持っています。

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亡びぬものを

この稿の起筆昭和ニ十二年十二月一日、終筆昭和二十二年一月十七日。白血球数三十一万に達し、全身脱力はなはだしく、意識しばしばもうろうとなるをもって、文意あるいは通じがたいところがあるかもしれないが、読者のご同情とご寛容を願いつつ。ー長崎浦上にて 後記より 亡びぬものを (アルバ文庫) 広島の原爆資料館で買いもとめた。 長崎の原爆経験者で医師である永井隆博士(wikipedia)の作品。 この方が亡くなられたのは昭和二十六年五月一日。 死期を感じつつ白血病の病床の中、書かれた自伝的私小説。 その文章に込められた気持ちは揺るぎないものだと思いました。 作者がキリシタンであるため、愛についての解釈は一貫されています。 では、生きること、それじたいにある人間としての意味はなんなのだろうか。 時間的な記憶より、永久的な価値とは。。。 永井博士は科学には永久的な価値があると書いてありました。 医師として、研究者として、ひとりの人間として死に向かい合う様は心うたれます。 今、原爆というものを知らない私達の世代に伝えるべき人の姿だと感じました。

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太陽の子

ふうちゃんは、神戸生まれの女の子。 おとうさんとおかあさんは沖縄出身で、神戸の下町で琉球料理の店「てだのふあ・おきなわ亭」を営んでいる。 やさしい常連さんたちに囲まれて明るく育ったふうちゃんだが、6年生になった頃、おとうさんが心の病気で苦しむようになる。 おとうさんの病気の原因はなんなのか? ふうちゃんは「沖縄と戦争」にその鍵があることに気付き始める。。。 あらすじより <a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4043520107/reyou1090-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/5194A4WYFFL._SL160_.jpg" alt="太陽の子 (角川文庫)" style="border: none;" /></a> 今の私たちが思い浮かべる沖縄。 沖縄の歴史をよく理解できてない多くの人は上辺だけを見ているだけかもしれません。 沖縄の平和記念公園に行ったところで、 ひめゆりの塔に行ったところで、 海軍司令部豪に行ったところで、 歴史を知らなければ、なんの意味にもならない。 教科書に書いてある戦争の年表なんてこれっぽちの意味にもならない。 そう思えた一冊。 主人公のふうちゃんは純粋で眩しい子でした。

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生命科学者になるための10か条

生命科学者になるための10か条 (ひつじ科学ブックス) 生命科学者になるための10か条 柳田充弘博士(wikipedia) 文化功労者で分子生物学者。 こちらに軌跡が書いてあります。 http://www.brh.co.jp/s_library/j_site/scientistweb/no54/index.html 読みやすい。わかりやすい。がんばろうと思える。 そんな一冊です。 だいぶ古い本ではありますが、生命科学者だけでなく科学者を目指すなら読んどいてもいいんじゃないでしょうか。 まだまだ私には柳田先生がどんな先生かはよくわかっていません。 それでも、この研究自体には関係ない本を一冊余んですごい人だなぁと思えるのはすごいことじゃないでしょうか。 これから科学者になろうとする若者に向けて書いてあります。 基本的なスタンスから実験への考え方まで。 手技手法以上に、心がけをといておられます。 柳田先生はブログも書かれております。 http://mitsuhiro.exblog.jp/ これだけ長く続いているのもすごいですね。

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医学と芸術展

六本木ヒルズは森美術館で開催されていたの医学と芸術展について。 昨年の話ですがとても面白かったです 個人的にはもっとサイエンスよりな内容を勝手に想像していたのですが 副題に”命と愛と未来を探る”と書いてあるだけあって 医学と生命科学に基づいた人のあり方を 芸術という枠組みで表現しているようでした ダビンチの解剖図も見ました カメラのないあの時代、正確に模写する技術はすごいことだと感じました ダビンチはまさに芸術と科学の混ざり合ったところにいたんだと思います 科学と芸術が別れて。それぞれに細分化していった歴史 それが今、また出会おうとしているのでしょうか その一方で芸術として倫理的に認められない世界もあります GFPバニーは考えさせる内容でしたし (蛍光を発するウサギを芸術作品として作った話) 一方で女性が一生で飲む避妊薬で作ったドレスや スーパーヒーローの老後など 現実に訴えかけてくるものも多かったです なんとなくでも興味があれば是非行く価値があると思います 細かい知識なんかいらないです ただ、あたりまえのことがどんなことなのかを感じる世界でした 医学と芸術:生命と愛の未来を探る―ダ・ヴィンチ、応挙、デミアン・ハースト

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有機化学美術館

知ってる人はしっているサイト、有機化学美術館。 なんといっても、わかりやすいと思います。 ブログバージョンの分館もあり、...

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理系のための人生設計ガイド

研究さえできればそれで何もいらない。 そういう考えの人はどれぐらいいらっしゃるのでしょうか? 自分の思うように研究したければ、自分が研究室のトップになるのが一番いい。 もちろん、うまいこと自分のやりたいことと同じことをしている研究室を見つけて、そこで思うがままに研究ができる人もいらっしゃるかもしれません。 でも、そんなうまくいく人は珍しいと思います。 それに、子供ができれば経済のことも考えなくてはならない。 子供がいなくても、歳をとれば、体も弱るし出費も色々と増えていく一方だろう。 大切なのは計画だと著者は言っております。 人生の大きな流れは神様が作るかもしれない。たとえば、40年後に社会がどのようになっているかはわからないから、自分で完璧な人生設計をすること は無理だろう。それでも、社会がどの方向に向かっていて、自分の人生にどのような「風」が吹いているかを見極めることはできるはずだ。その風をしっかりと つかまえることが「人生設計」という概念であると信じて、この本を書いた。 著者は成功者です。 もちろん数々のトライアンドエラーを繰り返して手に入れた結果だと思う。 しかし、その通りにならない人だっていることだろう。 そもそも研究という土俵にのるための経済力や、まわりの理解が得られないこともあるでしょう。 この本はそういった問題点はクリアした上で知るべき事柄が書いてあります。 この話を鵜呑みにするのはよくないと思います。 この本に書いてあるように、なにせ人生は99%仮説だから。 それでも、この本を手にして入れた経験は、自分の人生にどんな風が吹いてるかを判断する助けにはなってくれると思います。さらに、理系として生きて行く上でのエッセンスをしっかりと書いてくださっていました。 私が読んだのは第一版でしたが、既に第二版が出ているようです。 読んだ方は感想を教えていただけると幸いです。 理系のための研究生活ガイド 第2版 (ブルーバックス)

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子どもたちのアフリカー”忘れられた大陸”に希望の架け橋をー

この本のそでのところに書いてあった文章の頭をそのまま書き写す 親をエイズでなくした子供は1100万人。少年兵は13カ国で10万人。毎年20万人もの子供が「奴隷」として売買されている。女の子の場合、一般に男より社会的地位が低く性的虐待などが、さらに加わってくる。。。。 次の世代を担うアフリカの子どもたちの未来はどうなっていくのだろうか。 きびしい状況の中でも、よりよい未来をめざして新たな模索を初めている人たちは、何をしようとしているのだろうか。 日本にいる私たちは、何をしなくてはいけなくて、何をしたらいいのだろうか。 子どもたちのアフリカ―“忘れられた大陸”に希望の架け橋を 石裕之さんの南部アフリカについての渾身のレポート。 著者の情熱が伝わってきます。 読もうと思いつつ時間がとれずにだらだらこんな時期になってしまいました。 全六章となっており、それぞれ子供を切り口に南部アフリカの現状を語ってくれている。 しかもそれぞれがしっかりと資料をもとに数字にして書いてくださっているので、 なんとなくであるがわかりやすい。 何故なんとなく、という表現になるかというと、 それぞれの数字の規模が大きすぎるということです。 簡単に私たちが想像して思いつけるようなレベルの状態ではなくなっているんでしょう。 すべての章が読んでほしいと思える内容でしたし、 すべての章を読むべきだと思います。 私たち日本人にはじまり一般的に先進国と言われる国の人々が考えるボトムの生活を大きく上回るひどさでしょう。そして、そこにいる子供たちもまた。。。 世界を一周したいという人がいます。 その人らにこのような土地は見えているのでしょうか? 癌は世界の人々が治すべき課題だ、と言う人がいます。 それ以上に多くの人がエイズや飢餓によってなくなっているのを無視できるのでしょうか? 豊かすぎる国に生まれた私たちはまだまだ上を見て登ろうとしているのかもしれません。 しかし、日本などの先進国だけが上に行くなんて意味がないのではないでしょうか。 みんなで、世界のみんなで、持続可能な世の中を作れることが 本当の意味で素晴らしいことなんだと思いました。 どんなに難しくても、です。 私は答えがなんなのかわからないですが、知らないよりは知ってるべき事が書いてある本だと思います。 それぞれの章題を書いておきます。 第一章:エイズが残した大量の孤児 第二章:日常的にくりかえされる性的虐待 第三章:女性性器切断(FGM)と少女たち 第四章:はびこる子ども労働 第五章:戦場で戦う少年たち 第六章:現代に生きる子ども奴隷