大学院生のためのお金の話

2012年5月14日

世の中の大学院生はどうやって生活をしているのでしょうか?

おそらく一番理想的なのは学費、生活費を家族が負担してくれることだと思います。

ですが、現実問題としてはそれは厳しいことが多いです。

だから、多くの学生はアルバイトをしたり奨学金を借りたりします。

 

生活や学費といった金銭的な問題に関して悩んでいる学生は、

少なくとも悩んでいない学生に比べて大きなハンデがあると思います。

生活そのものへの不安というものは、

研究への集中を妨げる要因になりえるからでしょう。

 

そんな人たちのために役に立ちそうな情報を紹介します。

これから大学院に進学を考える方に少しでも役に立てれば良いと思っています。

 

1.国公立系の研究室に進学する。

国公立系の大学などは学費がとても安いです。

それに家計の経済状態が芳しくない学生に関しては学費免除も申請できます。

学費免除の申請条件は文部科学省のこちらのサイトを参考にしてみてください。

全額免除はできなくても半額免除の可能性もあります。

もちろん私立大学でも、授業料免除や経済的支援がある所もあるので、

進学したい研究室があれば、問い合わせてみるのも一つでしょう。

 

2.経済的な支援が充実している研究室に進学する。

TA(ティーチングアシスタント)もしくはRA(リサーチアシスタント)をもうけているところがあります。

大型の研究費を獲得している所であれば、より良い支援制度を作っているところもあります。

最近ではリーディング大学院プログラムというものもあります。

採択されたプログラムごとに支援体制は異なるので、気になる分野があれば調べてみてください。

他にも、理化学研究所では研究する博士課程の学生を雇用する支援制度もあります。

研究室によっては予算から学生を雇用することができる研究室もあります。
(これは獲得している予算によっても異なりますが)

研究室の責任者や先輩に伺ってみるのも良いと思います。

 

3.奨学金を借りる

日本学生支援機構の奨学金が一番有名でしょう。

第一種と第二種の奨学金があり、一種ですと無利子で借りることができます。

大学院における日本学生支援機構の第一種奨学金ですと、

一定の基準を満たしていれば、奨学金の返還免除ができる可能性もあります。

奨学金の借りれる可能性も高く一番多くの方が使われている奨学金です。

 

ただし、奨学金はこれだけではありません。

貸与ではなく給付の奨学金も多少はあります。

非常に倍率が高くなかなか難しいものばかりですが、

それ以上に周知が足りてないようにも感じます。

地域ごとの奨学金もありますが、今回は全国で応募できるものを紹介します。

例えば、吉田育英会のドクター21。

(マスター21もありますが、これは推薦校のみですので各自チェックしてみてください)

貸与ではなく給付の奨学金で月々20万円。

しかも、250万円以内の学校納付金(授業料等)も給付してくれます。

申請時期がドクター21だと修士2年の春なので、

その時点で博士課程の進学を決めており、かつ研究テーマを持っていることが大切でしょう。

(推薦校は学内選抜があるのでもう少し早いです)

また、給付型の奨学金ですと本庄国際奨学金などもあります。

これは希望する期間に応じて15万円-20万円の給付してくれます。

 

4.日本学術振興会の特別研究員

日本学術振興会では大学院生用に特別研究員を募集しています。

博士課程の3年間の間、給与を月々20万円のDC1と、2年間のDC2があります。

さらに毎年、実験系だと100万円以内の研究費が支給されます。

学費などの問題を考えると上に挙げたドクター21のほうが良いと思います。

なぜなら給付型の奨学金と異なり、

給与のため、税金や保険も自分で行わないといけなくなるためです。

ですが、この特別研究員として採用されることは業績となります。

将来、研究者を目指す方には是非希望する価値のあると思います

ここ数年は申請者のうち2〜3割程度の方が採用されています。

申請を行う時点でラボの責任者からの推薦をいただかないといけませんが、

学生が主体的にとりにいける募集内容です。

 

余談ですが、実は科学技術振興機構さきがけ研究員も学生の応募ができます。

実際に採用された方もいらっしゃいます。

ただし、生物系では通ったという話を伺ったことはありません。

相当に難しいですが、

研究領域とのマッチングが良く、

責任あるプロジェクトを牽引する立場があれば、

ひとつ考えてみるのはいかがでしょうか。

 

5.仕事をする

これは研究室との折り合いによりますが、選択肢としてとっておきましょう。

実際、医学系の研究科では、

医師の学生は現場に週何度か出るのを認めている研究室が多いです。
(これは少し状況が異なりますが)

同様に薬剤師の免許を持っている学生は、働いていたりします。

こうしたところでしたら、平日中でも一日なら、アルバイト等を認めてくれるかもしれません。

これで土日も合わせたら大分良いのではないでしょうか。

世の中には面白い仕事、成長できる仕事がたくさんあります。

時には研究に打ち込むことも必要ですし、

そのためには経済支援を取り付けるのが一番かもしれません。

ですが、働くという選択肢は捨ててはいけないと思います。

研究室等からの経済支援をうけると外の場に出ていき辛くなったりもします。

就職活動や課外活動など、人それぞれに研究室以外でも重要なことがあるはずです。

そういった負担を避ける為に、経済支援を受け取らない学生がいるのも事実です。

もしそこで新しいことに挑戦できるなら、

素晴らしい経験になるでしょう。

 

結局はどのような方向で歩みたいかだと思います。

ですが、何も知らずに決めつけるのはもったいないと思います。

是非、一通り検討した上で、

自分の経済と将来にとって良いと思える選択ができるよう、

少しでも役に立てれば幸いです。


Tags: