DEPC 水の調整

(DEPCの分子構造, MW=162.14):wikipediaより転載)

RNAの抽出などを行う際に持っておくと非常に便利なのがDEPC 処理水の作り方です。

DEPC(wikipedia)には非常に強力なRNase阻害効果があるため、RNAを使用する実験には必須です。

最近ではRNAの作業のKitなどにはRNase free waterがセットでついてくることが多いですが、多めにもっておいいてまず損はありません。

[Material]

・0.1% DEPC (ジエチルピロカーボネート: DiEthly PyroCarbonate, 略してDEPC。二炭化ジエチル:diethyl dicarbonateとも呼ばれる)

DEPCは発癌性であり危険物指定されている。さらに引火性でもあるので十分に換気をし、且つ蒸気等を間違って吸わないよう気をつける必要がある。

煮沸(もしくはオートクレーブ)をすることで、分解される。分解されたかどうかのチェックはDEPCの臭い(芳香性を持っている)で判断できる。

作業を行う際には必ず手袋をすること。またドラフト内での作業を勧める。

[Method]

1. 密閉できる保存ビンに1Lの水を入れる。

2. DEPCを1 mL加える。

3. よく振り混ぜる(この際に間違ってこぼしたりしないよう事前に保存ビンが大丈夫であることを確認しておく)

4. 37℃もしくは常温で二時間以上放置。

5. ビンのフタを緩めて、121℃で20分オートクレーブ。

6. 常温保存

注意点

3. DEPCは最初油滴のようになって沈むが、よく振り混ぜれば溶ける。

4.の間に余裕があれば何回か振り混ぜる。こうすることで、DEPCが均一に広がってRNaseを失活させる。

4.の温度については参考文献によって異なっているが、当方では室温でオーバーナイトで行っている。

5.のオートクレーブの作業後、臭いが残っているならもう一度オートクレーブをかける必要がある。

参考文献

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