生物系大学院受験のための対策

最近、私の所属する研究室にたくさんの学生がやってきます。

ものすごく下調べをしてきている学生もいれば勢いでやってくる学生もいらっしゃいます。

少し前までは学生なんて一切こないようなラボでしたので、この違和感に戸惑う今日この頃です。

やってくる学生のほとんどが試験はどうなのでしょうか?と質問をされます。

正直、質問されても、あまり上手く答えられません。

ですが、少しだけアドバイスを書いてみようと思います。

生物系大学院の受験のためには以下の三点が大切になってくると思います。

1.過去問を入手する

2.生物学の知識をしっかりと身につける

3.英語対策

1.過去問の入手

大学院受験にあたって過去問は大概手に入ります。

行きたい研究室の所属する大学院のHPを探せば見つかるかもしれないし、

わからなかったら、研究室を訪問して直接聞いてみましょう。

過去問を見れば、どんな問題が出題されていて、どんな傾向かすぐにつかめるはずです。

すぐに解く必要はありません。傾向を知って、毎年でているような問題を知ることが大切です。

2.生物学の試験対策

傾向をつかんだら、その知識をつけましょう。

そもそも生物学の知識のないかたは、次の本をおすすめします。

試験の多くには分子生物学の設問があります。

その分子生物学に直結していて、試験にも使われることが多いのがこの本です。

とても基本的なところから丁寧に説明をしてくれます。

覚えようなんてしなくていいです。まず、全部読んだらいいと思います。

値段が高いと思ったら、図書館で借りるとか、何かしら方法があると思います。

実際、試験対策はこれだけ覚えてなんとかなる方もいます。

それだけクオリティが高い本なのです。

読み終わったら、次の本に行きましょう。

細胞の分子生物学
Bruce Alberts Julian Lewis Martin Raff Peter Walter Keith Roberts Alexander Johnson
ニュートンプレス

THE CELLはEssential 細胞生物学のよりディープな本です。

つまり、Essential 細胞生物学はTHE CELLの簡易版です。

一度、エッセンシャルを読んでいれば大分スラスラと頭に入ると思います。

かといって文章を丸暗記するのは、大変です。

Figをひとつずつ理解し覚えて、得意な分野を決めて、徹底的にやるのがおすすめです。

私は当時Figをひとつずつ自分で描いていました。文字より図で覚えるほうが楽でしたので。

第五版になってから、THE CELLも専門分野が大分増えていますが、

過去問からどの分野が多いかもわかるはずです。

傾向がつかめていたら、その部分をしっかり勉強しましょう。

これを全部覚えたら大概の大学院受験はなんとでもなると思います。

なにより、研究室にはいってからも辞書代わりにもなります。

せっかくなので購入することをお勧めします。

あとは自分の受ける分野に突出した教科書を探すこともおすすめです。

将来、知っておいて損はないはずです。

研究をしている上で、どんな素晴らしい発見も、土台となる知識がなければ、

気づく事すらかないません。

知恵をつける前に知識をつけましょう。

3.英語対策

試験には英語が入っていることが多いと思います。

これも過去問をみれば傾向がつかめるはずです。

理系の出典がおおければ、ライフサイエンス辞書プロジェクトのオンデマンド教材なども有用だと思います。

英語に関しては、今までの積み上げてきた知識も大切になってくるでしょう。

こればっかりは日々の鍛錬ではないでしょうか。

私は英語対策はそれほど苦労をしていないので、あまりアドバイスは送れません。

TOEICが使える大学院も最近は増えてます。

TOEICで試験が免除になる可能性があるなら早いうちから試験を受けたらどうでしょうか?

とりあえず理系英語をしっておきたい。

そんな方には以下の本を挙げておきます。

基礎バイオ英語 [バイオテクノロジーテキストシリーズ]

私が読む限り基礎と銘打っているだけあって、

とても基本的なところから話をしています。

このレベルなら大学の講義でも聞いているかもしれません。

バイオ英語 [バイオテクノロジーテキストシリーズ]という少しステップアップしたものもあるので、

本屋さんで見比べてみてください。

自分の目でみて、自分に合いそうなものを選ぶのが大切だと思います。

大学院受験は大学受験とは大分性質が違います。

それでも、やはり受験である以上、多少なりとも対策をすることは大切です。

自信がある方も、少なくとも一度は過去問を見ておくといいでしょう。

今回、お話してみたのは特に修士課程を考えている方向けです。

私の意見だけでなく、インターネットを探しても色々な話があると思います。

よく自分で探し、考えて判断してください。

受験者の減少とはうらはらに大学院および研究室は多様化しています。

生物系だけでも星の数ほどある研究内容。

おもろいことをしてるんだと思う一方で、どうあれ研究はしんどいものです。

もちろん、研究室を考えず大学院のコースの面白さなどで選ぶことだってできます。

大学院受験の対策の前に、

あなたが行きたいと思う大学院のスタイルや、研究室の研究内容をよく吟味した上で、

そして、自分の将来の方向性を考えつつ、院試に臨んでほしいと思います。

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