アガロースゲルの作製

アガロースゲル(アガゲル)の作成方法を紹介します。

主にDNAの電気泳動に用いられます。

ゲル中のアガロースの濃度は実験に応じて0.5%〜4%に渡り、

目的とするDNAのサイズなどに合わせて調整する濃度を決定します。

下記に、分離に用いる際の目安として表を作製しておきます。

アガロース濃度(w/v) 0.7% 1.0% 1.2% 1.5% 2.0%
分離可能なDNA(bp) 800 ~10000 500 ~ 70000 400 ~ 60000 200 ~40000 100 ~20000

また、本エントリーでは、エチジウムブロマイド(EtBr)を先に添加するプロトコールを紹介しますが、

ラボによっては後からEtBrを加える後染めを行うこともあります。

これは、EtBrを投入すると泳動が乱れるためですが、詳しくはまたどこかで紹介しようと思います。

作業として楽なのはEtBr入りでしょう。

その他、ラボごとに作り方が少しずつ異なっている可能性があるので、

実際に作製する際には、

それぞれ所属するラボの作り方を伺ってからのほうが良いでしょう。

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(wikipediaより転載)

[Materials]

・エチブロ用のビーカーもしくは三角フラスコなど*

・エチブロ用の撹拌子*

・アガロース粉末(核酸分離に適したもの)

50 x TAE もしくは1 xTAE**

10 mg/ml エチジウムブロマイド溶液

*アガロースゲルにエチブロを入れる際には使用する容器を専用にするのが望ましい。後染めの場合にはエチブロの心配がないので、気にせず使用する。エチブロの取り扱いについてはこちらの記事を参照のこと。

**TBE溶液で作製することもある。用途に応じて考えること。詳しくはこちらの記事を参照のこと。

以下に調整にあたっての使用例を記載する

参考までに、汎用されるアガゲルのカセットは小1枚20 mL、大一枚40 mLがおおよそ必要な量である。

1.2 %アガロースゲル の調整
試薬もしくは溶液 使用量(200 mL) 最終濃度
アガロース粉末 2.4 g 1.2 %(w/v)
50 x TAE
(1x TAE)
4 mL
(200 mL)
1 x
10 mg/ml EtBr溶液 10 µL(20000倍希釈) 0.5 μg/mL
超純水 <200 mL

2.0 % アガロースゲル の調整
試薬もしくは溶液 使用量(200 mL) 最終濃度
アガロース粉末 4.0 g 2.0 %(w/v)
50 x TAE
(1 x TAE)
4 mL
(200 mL)
1 x
10 mg/ml EtBr溶液 10 µL(20000倍希釈) 0.5 μg/mL
超純水 <200 mL

[Method]

1.アガロース粉末,TAE溶液, 水, 撹拌子をビーカーに入れる。

2.フタに少し穴が空くようにラップをする(もしくは穴を2~3カ所空ける)。スターラーで軽く撹拌する。

3. 電子レンジにて気泡が出始めるまで加熱。

4. スターラーで撹拌。

5. 再度電子レンジに入れて3.→4.を溶液が透明になるまで繰り返す。

6. スターラーで撹拌しつつ、10 mg/ mL EtBr溶液を10 µL (2000倍希釈)入れる。

7. 自然に冷めるのを待ち、50 ~55℃になったらゲル作製用のトレーに流し込み、コームを差し込む。

8. ゲルに気泡ができた場合はチップなどを使って取り除く。

9. ゲルが固まるまで室温で静置しておく。

10. 固まった後、コームを取り除いて使用もしくは保存。

保存する場合には、作製した溶液(本プロトコールではTAE溶液)と同じ溶液中に保存する。タッパーなどに入れておくといいだろう。

EtBr溶液は本プロトコールでは0.5 μg/mLを最終濃度としているが、この1/10量の参考文献もある。

各自の実験に応じて濃度を決めるといいだろう。

アガロースの精製度については今回はあまり述べておりません。

ですが、DNA断片を切り出すなどの操作を考えている際には、少し良いものを購入するといいでしょう。

業者の方に問い合わせるか、バイオ実験イラストレイテッド〈2〉遺伝子解析の基礎 (目で見る実験ノートシリーズ)がこのあたりについて非常に詳しいので参照することをおすすめします。

 アガロースゲルの作り方, 北里大学 獣医学部 獣医生化学研究室
 じっけんレシピ(PDF)SIGMA-ALDRICH
Wikipedia contributors. “Gel electrophoresis.” Wikipedia, The Free Encyclopedia. Wikipedia, The Free Encyclopedia, 4 Feb. 2013. Web. 10 Feb. 2013.
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